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【hulu】映画「八つ墓村」を見て

1977年版 映画「八つ墓村」

 1977年に公開された日本映画「八つ墓村」。
 当時「たたりじゃ~」のCMが話題になったこともあり、作品自体は40年経った今(2017年)でもその存在を覚えているのですが、今日の「旅サラダ」の下條アトムの山口の旅を見て初めて、山口県がロケ地だったことを知り驚きました。

 なぜなら、ロケ地となった秋吉台の某所からわずか車で数分の場所に当時住んでいた私。「たたりじゃ~」のCMは何回も見たし、学校で映画のことやCMのことが話題になったとは思うのですが、大人は誰一人として「この近くで撮影した映画だよ」なんて言っていませんでした。

 うちの親はそういうことにうといとしても、学校の先生あたりが「あの映画は、近所で撮影されたんですよ」とか言いそうなものなのに・・・。誰か言ってたけど、聴き逃したのかもしれませんが。

 なんと40年目にして「八つ墓村」のロケ地が地元だったと知り、なぜか焦って速攻映画を見ました(笑)。

 金田一耕助シリーズは1970年代に大ブームで、テレビでも古谷一行さんバージョンのドラマ版を沢山放送していたし、石坂浩二バージョンの映画「犬神家の一族」や「悪魔の手毬唄」はテレビで放送されたものを見た記憶があるのですが、今回改めて「八つ墓村」を見て、初見だということに気づいてさらに驚く私でした。


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hulu「八つ墓村」

 現在私は「Amazonプライム」と「hulu」を契約しています。
 Amazonプライムにも「映画やドラマ見放題」のサービス「Amazonビデオ」があります。

 「Amazonビデオ」の動画には意外なものがけっこうあって、例えば「hulu」では以前は配信していたけど今はもう見られなくなった「あぶない刑事 テレビ版」なんかがあります。

 なので今回もまず「Amazonビデオに【八つ墓村】あるんじゃないか」と探してみました。

 しかし「Amazonビデオ」に1977年版「八つ墓村」はありませんでした。
 でもhuluで発見。こういう時本当に動画配信サービスは便利です!

 ちなみにhuluには1976年の映画「犬神家の一族」もありますが2017年6月30日までの配信です。

たたりじゃ~

 子供の頃CMで見た、頭に懐中電灯を二本鬼の角のように差した男が「たたりじゃ~」と叫びながら走るあのシーン、アレは明確には走っているのは山崎努、叫んでいるのは「濃茶の尼」という役の女の声でした。

 CMでは当時、巧みにこのふたつを組み合わせ、あたかも鬼の形相の男が「たたりじゃ~」と奇声を発しながら夜道を駆け抜けていくというシュールな映像に仕上がっており、当時小学生だった我々はもちろんのこと、テレビのお笑い番組などでもさかんに真似されて、「たたりじゃ~」は完全に流行語となっていたのでした。

 今回映画「八つ墓村」を公開40年目にしてちゃんと観て、初めてあのCMがどのシーンで、あの声がなんだったのかを理解しました。

 さて、話が少し前後しますが、映画「八つ墓村」を見ないまま大人になった私は、およそ25年くらい前、某女性雑誌の少女漫画特集で山岸凉子の「日出処の天子」が名作として紹介されているのを見て早速大人買い。その流れで「日出処の天子」以外の山岸凉子さんの単行本も読んだのですが、「神かくし」という短編集にあった「負の暗示」という作品に衝撃を受けました。


神かくし (秋田文庫)

 若い男が頭に鉢巻をして、懐中電灯を二本差した姿で村人たちを次々と襲っていく。
 そう、「八つ墓村」の原点は実際にあった「津山三十人殺し」とも言われる津山事件をモチーフにしたということを、山岸凉子の「負の暗示」を読んで知りました。

 さらに岡山県出身の作家、岩井志麻子の「夜啼きの森」も津山事件がモチーフとなっています。



 何と申しますやら・・・・私はテレビCMで「たたりじゃ~」を観てから40年の間、外堀から埋めていくように「津山事件」に関する漫画や小説を読みはしたものの、またその事件性に衝撃を受けつつも、「八つ墓村」だけは映画もドラマも観たことがなかったのでした。

渥美清の金田一

 私の中では「金田一耕助」と言ったら古谷一行さんです。

 70年代の映画では石坂浩二の金田一が人気でしたが、どうも石坂浩二だと(70年代のね)小奇麗すぎてしっくりこない。
 古谷一行が小汚いていうわけじゃないけど(笑)、石坂浩二よりはくだけた印象の古谷一行のほうが、金田一耕助にはしっくりくるのでした。

 ところが1977年の映画「八つ墓村」の金田一耕助は渥美清さんなんですね。これも40年目にして知った(笑)。

 あまり登場シーンもなく、なんというか全編、芥川也寸志の壮大なオーケストラと、映像美というのでしょうか、牧歌的日本の原風景というようなセリフもナレーションもないシーンが粛々と続く、21世紀の今となっては多少冗漫な映画でした。

 ただしラストで、「犯人は○○だ」と事件の真相を金田一が暴くシーンはそれなりに見応えがあり、もっと石坂浩二や古谷一行のように渥美金田一が町を駆け回る場面や、頭をボリボリ掻いてフケを振りまくシーンなど、お約束の場面があっても良かったのになと思いました。

ハリウッド超大作かよ

 当時はこれで良かったんだろうなあ。70年代だもんなあ。

 と思わずぼやきたくなる芥川也寸志の映画音楽。ちなみに芥川也寸志はあの作家、芥川龍之介の三男です。
 音楽家であり作曲者である芥川也寸志が「八つ墓村」の音楽を担当しています。

 「ベン・ハー」や「風と共に去りぬ」など、戦前にアメリカではやったハリウッド超大作を彷彿とさせるようなフルオーケストラのBGMは、時としてミスマッチ。

 特に主演の萩原健一と小川真由美が洞窟の中をさまよう場面は、セリフもないまま永遠と洞窟のシーンが続き、挙句のはてには二人の濡れ場。そこに盛り上がる芥川也寸志のオーケストラ・・・・ということで、思わず吹き出して笑ってしまったことを告白します。

根底にあるものは・・・

 観終わって検索したら「『八つ墓村』は映像化されたものの中にも様々なバージョンがあって、それぞれが原作と違うストーリーなのでコンプリートしてほしい」という情報に出会いました。

 それがもう「こんなにあるのかよ」というバリエーション(笑)。
 1977年版の映画の他に1996年のトヨエツの映画版や、1978年の古谷一行のドラマ版があるのは知っていましたが、まだまだ沢山あるのね。とてもコンプリートは無理。

 ただ、根底にあるのは「八つ墓村」の面白さというよりも「津山事件」への人々の関心度ではないでしょうか。
 「津山事件」は実話だけに、なかなか映像化するのはむづかしい。
 「八つ墓村」はその実話の部分をうまく取り除いて、「戦国武将のたたり」という創作を加味したことによって、
「これはフィクションだから」
 という、ある種の安心感を持って鑑賞できる作品になっています。

 しかし実際にあった「津山事件」というなんとも不可解な出来事のことは、80年たった今でも不気味としか言いようがない。
 「八つ墓村」を見て一番思ったのはやはり、「事実は小説より奇なり」ということなのでした。



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